自伝から読む歴史Ⅷ
水木しげるの「戦争と戦後」
─『ねぼけ人生』をとおして
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ちくま文庫「ねぼけ人生」表紙 |
講師:加藤 晴康さん(横浜市立大学名誉教授)講師略歴
第1回 7月15日(土) 徴兵まで 講座概要
第2回 8月12日(土) 戦火の中で 講座概要
第3回 9月 9日(土) 敗戦の日本に帰って 講座概要
第4回 10月14日(土) 水木しげるの「福の神」講座概要
場 所 柴中会公会堂 (地図)
時 間 13時30分〜16時30分 (開場13時)
受講料 1000円(会員 800円)全回前納:3500円(会員3000円)
定 員 40名 (要予約 予約方法は下記)
シビルの講座で妖怪マンガ? と不審に思われるかも知れません。しかし大マジメなのです。ゲゲゲの鬼太郎の作者水木しげる(本名・武良茂)は1922(大正11)年生まれ、昨年が生誕百年でした。この年代、総じて大正2桁から昭和初年生まれの人々は、太平洋戦争で最も多くの戦死者を出した世代にあたります。それだけにその戦時下の体験は、それぞれの人生にかけがえのない刻印を記すものとなっています。水木しげるにとっても、戦争とそのため左腕を失って復員してきた戦後の生活は、やがて「ゲゲゲの鬼太郎」を始め独自のマンガ世界を生み出させることになりました。その特異な足跡を辿りながら、同じ時代に生きた人々の背負った戦争の意味と、戦後日本の社会や文化の歩みを、あらためて考えてみたいと思います。
彼はその人生についていくつかのエッセイを残し、またマンガ作品にも表しています。マンガ版には『ボクの一生はゲゲゲの楽園だ』(全六巻・講談社)などがありますが、講座では、さしあたり『ねぼけ人生』(ちくま文庫)をテキストとし、適時、関連する作品などを紹介して行きたいと考えています。
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南方行きの前 父・母・弟と (「大水木しげる展 図録」より) |
主催:市民の学習・活動・交流センター シビル
立川市柴崎町3-10-4 電話:042-524-9014
メール:civiltachikawa@yahoo.co.jp
予約受付開始:6月26日(月)14:00〜(定員に達し次第、終了)
予約は、電話かメールでお願いします。(FAXでは受け付けません)
受講料は予約後に郵便振替で送金するか、当日受付で支払って下さい。
(郵便振替口座) 00170-0-481827 シビル運営委員会
(メールで申し込まれた方は、返信メールの確認後に振込をして下さい)
加藤 晴康さんの紹介
東京大学大学院で西洋史を専攻。フランス社会思想、社会運動、植民地関係史を主に研究。
横浜市立大学名誉教授。
『ブランキ革命論集』(現代思潮社/訳編)、『歴史として、記憶として─「社会運動史」1970-1985』(共著)などがある。シビル市民講座「自伝から読む歴史」を第1回より担当している。
一般社団法人 市民の学習・活動・交流センター
シビル
tel
042-524-9014 fax
042-595-9431 立川市柴崎町3-10-4
【各回の概要】
(各回とも 会場:柴中会公会堂 時間:13時30分〜16時30分)
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戦後書き記したラバウルの記録 (ちくま文庫「水木しげるのラバウル戦記」) |
第1回 2023年7月15日(土)
徴兵まで
のんのんばあの語る妖怪変化の世界に育ち、強まる戦時色のなか、学校生活からはみだした茂少年。美術学校を志すも失敗つづき。成人の年を迎えるや直ちに兵役にとられ、南太平洋の最前線ラバウルに送られる。
第2回 8月12日(土)
戦火の中で
兵卒としても落第続きの前線生活。山野を逃げまどい爆撃で左腕を失った身となるも、現地の島の住民との出会いに彼は命を救われる。やがて終戦。島民たちは島に残れとすすめるが……。
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街頭紙芝居風景(「大水木しげる展・図録」) |
第3回 9月9日(土)
敗戦の日本に帰って
戦後の日本に復員した茂。食べていくために闇屋商売など悪戦苦闘のなか、得意の絵画の腕を生かして紙芝居の作者となり、やがて貸本漫画の制作にすすむ。それは戦後の漫画の世界に大転換をもたらすものとなる。
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再訪した島の子どもたちと(「水木しげるのラバウル従軍後記」中央公論新社) |
第4回 10月14日(土)
水木しげるの「福の神」
紙芝居の制作のなかで出会った鬼太郎は彼の手によって「ゲゲゲの鬼太郎」に変身。おりから、高度成長に進む日本で、水木しげるの妖怪たちは闊歩しはじめる。彼は島民たちとの再会の約束を果たそうと、かっての戦場に向かう……。