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シビル市民講座 【シビル市民講座 第24期】 2015年9月〜12月

自伝から読む歴史5

宮崎滔天『三十三年の夢』 ─近代日本とアジアの革命


  第1回 9月26日(土)    14:00〜17:00 民権とアジア解放の夢 講座概要は下記

  第2回 10月3日(土)    14:00〜17:00 日清戦争前後 講座概要は下記
  第3回 10月24日(土)  14:00〜17:00 孫文との出会いと南洋の風雲 講座概要は下記
  第4回 10月31日(土)  14:00〜17:00 挙兵準備とシンガポールでの入獄 講座概要は下記
  第5回 11月28日(土)  14:00〜17:00 「落花の歌」─桃中軒牛右衛門 講座概要は下記
  第6回 12月5日(土)    14:00〜17:00 辛亥革命から五四運動へ 概要は下記
★全回 土曜日 14:00〜17:00 シビル2A室

宮崎滔天
宮崎 滔天
 明治3年(1871)、熊本に生まれた宮崎滔天(本名虎蔵)。民権の思想に触れつつ西南戦争で西郷軍に身を投じて倒れた八郎や、「土地均享」を「人類の大権」とした民蔵を兄に持ち、同じく兄の彌蔵から中国の革命への夢を受け継ぎ、孫文と相識る。愚か狂か、その私心を捨てた中国革命への没入は、孫文の清朝支配に対する蜂起(1900年、恵州起義)の後に書かれた本書に、赤裸々に語られている。しかし、この本はまだ30代の年齢での著作。さらに、孫文の中国同盟会創設や、辛亥革命による中華民国成立以後の過程に、滔天の活動は続く。
孫文、滔天らの写真 1900年
孫文(右1)、滔天(右4)、内田良平(右5)、
末永節(右6)  1900年
 その一方、彼の妻ツチとその姉ツナ(夏目漱石の『草枕』の主人公那美のモデル)の姉妹の存在は忘れ難い。長男龍介と白蓮との恋の事件は有名だが、滔天の死はその翌年、大正11年(1922)のことだった。
 講座では、『三十三年の夢』を中心にしながら、滔天の生涯の活動を辿る。それとともに、「帝国主義」の時代へと進む日本で、「アジア解放」を説きながら現実にはアジア侵略に向かっていった「アジア主義」の問題についても考えていきたい。


  講師 加藤 晴康さん  略歴は下記
  会場 シビル 2階2A室地図参照 JR中央線立川駅南口徒歩3分 モノレール立川南駅徒歩1分)
  参加費 1回 1000円、会員・学生・経済的困窮者1回 800円(全回前納者5000円・会員4000円)
  定員 20人 定員一杯になり次第締め切ります。
  お問い合わせ/お申込み シビル1階事務室
(平日13:00〜19:00 メール申し込みも可)
                      Tal&Fax:042-524-9014 Mail:civiltachikawa@yahoo.co.jp
   ●オススメ 郵便振替口座 口座番号「00170-0-481827 シビル運営委員会」
     振替用紙に、どの回を申し込むか、氏名・住所・電話・メールアドレス等を明記してください。

   ●テキスト 宮崎滔天『三十三年の夢』
          (島田虔次・近藤秀樹校注 岩波文庫版 あるいは 宮崎龍介・衛藤瀋吉校注 平凡社東洋文庫版)
     岩波文庫版は、難解な漢語などを書き直し、読みやすくしてある。東洋文庫版の方が原文に忠実である。
     受講者は上記いずれかを手に入れてください。入手困難な場合、受講申し込みのときにご相談ください。


講師略歴:加藤 晴康かとう・はるやす)さん

 1936年愛知県生まれ。東京大学大学院で西洋史を専攻。フランスの社会思想、社会運動、植民地関係史を主に研究。愛知県立大・横浜市立大で西洋史・国際関係を担当。横浜市立大名誉教授。現在は、高校世界史教科書の編集・執筆、日本寄場学会の活動に携わっている。『ブランキ革命論集』(現代思潮社/編訳)、『ヨーロッパ近代史再考』(ミネルヴァ書房/共著)、『歴史として、記憶として─「社会運動史」1970〜1985─』(御茶の水書房/共著)などがある。シビル市民講座「自伝から読む歴史」1〜5の講師をずっと担当している。


シビル地図

【各回の概要】

第1回 9月26日(土)14:00〜17:00 「民権とアジア解放の夢」

 キリスト教の教育を受け、熊本に吹く新しい風の中で成長する虎(寅)蔵。ツチとの恋。民権の思想に触れた兄たちの感化を受けつつ、中国革命への思いをはぐくむ。明治維新を経た日本にとって、アジアとは何だったろうか。


第2回 10月3日(土)14:00〜17:00 「日清戦争前後」

 はじめての上海行き。1894(明治27)年、朝鮮開化派の金玉均と協力を求めて会談。しかし、まもなく金玉均は暗殺される。日清戦争が始まったのはこの8月だった。東アジアの国際関係が大きく転換していくなか、兄彌蔵の死。


第3回 10月24日(土)14:00〜17:00 「孫文との出会いと南洋の風雲」

 横浜での孫文との運命の出会い。「白浪庵滔天」の誕生。戊戌(ぼじゅつ)政変(1898)で清朝から追われた康有為の日本亡命に尽力。フィリピンの独立運動援助に孫文と協力。アジアには変革の波が高まっていた。


第4回 10月31日(土)14:00〜17:00 「挙兵準備とシンガポールでの入獄」

 香港で、孫文の興中会と他の結社とを合同させ、興漢買いを結成する。孫文は恵州での蜂起を決意。これには多くの日本人も関与していた。しかし、滔天はシンガポールでイギリス当局により投獄・追放される。


第5回 11月28日(土)14:00〜17:00 「「落花の歌」─桃中軒牛右衛門」

 恵州起義失敗の後、滔天は浪曲師に転身、同時に『三十三年の夢』を執筆する(刊行は1902年)。しかし、孫文との協力は続き、1905年、中国同盟会の創立と機関紙『民報』発行に参画。ここで働いたのがツチの姉ツナである。


第6回 12月5日(土)14:00〜17:00 「辛亥革命から五四運動へ」

 1911年、辛亥革命により清朝は倒れるも、中国の政治は次第に混迷を深めていく。第一次世界大戦下、日本は中国に21カ条の要求を突きつけ、これに反対する民衆の動きは、五四運動の高揚に進む。この激動の時代、孫文と滔天は。そして、アジアの中の日本は……。


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