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シビル市民講座 【シビル市民講座 第23期】 2015年4月〜12月

池田浩士の不連続講座


ファシズムとボランティア

─ 自発性と社会貢献の歴史を問いなおす ─

*席は予約した方が優先です。予約のない方は立ち見の可能性あり。

  第1回 4月19日(日)  14:00〜17:00 終了
        「ボランティア元年」から「昭和ファシズム」の時代へ
           ─ 近代日本になぜボランティアが蘇ったのか?
 講座概要は下記


  第2回 7月5日(日)  14:00〜17:00 終了
        ヒトラーの権力掌握と「労働奉仕」の組織化
           ─ ボランティア活動がナチズムを育てた
 講座概要は下記

  第3回 10月4日(日)  14:00〜17:00 終了
        ボランティア国家としてのナチス「第三帝国」
           ─ 自発性が国家によって制度化され強制される
 講座概要は下記

  第4回 12月20日(日)  14:00〜17:00   要予約 
        天皇制国家の海外進出と「勤労奉仕」
           ─ ボランティアからホロコーストへ
 講座概要は下記

RAD(国家労働奉仕団)
 「ボランティア」は、もっぱらプラスのイメージで肯定的に語られます。それも当然のことでしょう。自分が持つ力を、それが必要とされるとき、必要とされる場で、必要とする他者のために役立てるというのは、社会的な存在である人間にとって、もっとも大切な行為の一つであり、その行為によって得られる充実感は、もっとも大きな喜びの一つであることに、疑いはないからです。
 では、この、いまに始まったわけではない「ボランティア活動」には、どんな歴史があるのか? あるいは、私たちが生きる現実の前史としての近現代の歴史のなかで、どのような意味を持ったのか? ─これを問い、これを考える機会は、これまでほとんどなかったのではないでしょうか?
 じつは、この問いは、戦争とファシズムの世紀といわれる20世紀の歴史を振りかえるとき、大きな意味を持っています。さらにこの問いは、これから私たちが向き合わねばならない今後の歴史にとっても無関係ではないでしょう。もう少し詳しく言えば、広い意味でのファシズム社会は、ボランティアとの密接な関係の中で形成され運営された、というのが、歴史の現実なのです。ドイツでも日本でも、そうでした。
 この歴史の現実を、事実に即して掘り起こし、では私たちはその現実を前にして何を考え何をするのかを、ともに模索したいというのが、この「不連続講座」のテーマです。── ボランティアに行く前に、せめてボランティアの歴史を知るために!

  講師 池田 浩士(いけだ・ひろし)さん  略歴は下記
  会場 立川ホール地図参照 JR中央線立川駅南口徒歩3分   立川南口HMビル4階)
  定員 60人(当初予定定員をオーバーしたので、広い会場に変更。まだ少々余裕あり。)
  受講料 1回 1200円、会員・学生・経済的困窮者1回 1000円(全回前納者4000円・会員3000円)
  お問い合わせ/お申込み シビル1階事務室
(午後1〜7時 メール申し込みも可)
                      Tal&Fax:042-524-9014 Mail:civiltachikawa@yahoo.co.jp
   ●オススメ 郵便振替口座 口座番号「00170-0-481827 シビル運営委員会」
     振替用紙に、どの回を申し込むか、氏名・住所・電話・メールアドレス等を明記してください。


講師略歴:池田 浩士いけだ・ひろし)さん

 1940年大津市生まれ。慶応義塾大学大学院博士課程修了。1968年〜2004年、京都大学勤務。京都大学名誉教授。主な著書、『ファシズムと文学─ヒトラーを支えた作家たち』(白水社 1078)、『火野葦平論─〔海外進出文学〕たち』(インパクト出版社 2000)、『虚構のナチズム─「第三帝国」と表現文化』(人文書院 2004)、『石炭の文学史』(インパクト出版社 2012)など。


立川ホール(HMビル4階)

立川ホール 042-524-5787 立川市錦町2-1-33 立川南口HMビル5F/4F
  三幸駐車場隣り、ひまわり薬局の奥のビルです。

【各回の概要】

第1回 4月19日(日)14時〜17時
       「ボランティア元年」から「昭和ファシズム」の時代へ
        ─ 近代日本になぜボランティアが蘇ったのか?


 1995年の阪神大震災のあと、全国から支援の「ボランティア」が駆けつけました。マスメディアはこの年を「ボランティア元年」と呼び、いまではそれが常識化しています。しかし、日本という国家社会は、ボランティアについては古い歴史を持っているのです。しかもその歴史は、いま私たちの「歴史認識」が問われている戦争とファシズムの過去と、密接にかかわっています。これを想起し、ともに考える作業を始めたいと思います。


第2回 7月5日(日)14時〜17時
       ヒトラーの権力掌握と「労働奉仕」の組織化
        ─ ボランティア活動がナチズムを育てた


 日本の近現代史と深い関係を持つヒトラーのナチズムは、さまざまなボランティア活動を活用し組織化することで、「国民」に生き甲斐を与え、支持率をますます高めて支配権力を維持しました。なかでも「労働奉仕」と呼ばれる自発的なボランティア労働を、周到に組織し、社会全体をボランティア国家としたのです。なぜ人びとはナチスを支持したのか ─ という問いに、具体的に迫っていきましょう。


第3回 10月4日(日)14時〜17時
       ボランティア国家としてのナチス「第三帝国」
        ─ 自発性が国家によって制度化され強制される


 ファシズムは、強制ではなく「自発性」をエネルギーにします。「受け手」や支配の「客体」としてしか生きられなかった「国民」が、みずから「送り手」となり、社会の「主体」として生きること─20世紀の前衛芸術もめざしたこの理念を、ファシズムは実現しました。そして、みずから主体的に生きることを知った人びとを、もっとも操作しやすい客体として生かしたのです。ナチズムの場合に焦点を当てて、この現実を振り返り、私たち自身の現実を再発見しましょう。


第4回 12月20日(日)14時〜17時
       天皇制国家の海外進出と「勤労奉仕」
        ─ ボランティアからホロコーストへ


 これまで見てきたナチズムの現実は、他人事ではありません。ヒトラー・ナチズムと最も緊密な同盟国だった天皇制日本は、ナチスのボランティア制度から多くの重要なことを学びました。日本の植民地支配も侵略戦争も、それがなければ遂行できなかったでしょう。具体的な歴史資料に即して、かつての「ボランティア元年」から「戦争のためのボランティア」へと歩んだ私たちの歴史を、いまこそ考えたいと思います。


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